周りが気づくことの大切さ(健全な職場環境のために)<「多忙」×「人間関係のハズレ」=「逃げられない地獄の始まり」【後編】>

考察

結局、周りが気づくべき

 「多忙」×「人間関係のハズレ」は最悪だという話の続きをしたいと思います。

 前回は、そのような環境に身を置くと、気づかないうちに自分を追い込んでしまうリスクをお話ししました。

「多忙」×「人間関係のハズレ」=「逃げられない地獄の始まり」【前編】
多忙or人間関係のハズレのどちらか一方ではやっていける 仕事が忙しくても周りの人が良ければやっていける。 職場の人間関係が悪くても、定時退社できて、リフレッシュできるから、まあいっか。 どちらもあると思います。 仕事選びは、やりがい・金・人…

 では、そうなったときにどうしたらよいのか、という話ですが、先に申し上げると、本人がどうするかという話ではなく、やはり、周りがどうしてあげられるか、どうするべきかという話になります。

 と、大げさな前振りになってしまいましたが、結局それは、「周りが気づいてあげる」「気づいたら行動してあげる」ということです。

 めちゃくちゃ、当たり前のことですね。偉そうに語るまでもありません。

 けれど、大事なことだと思います。

 本人が人知れず追い込まれてしんどいとき、それを自分で自覚できていないときこそ、危ないことはないと思います。

A君の話

 ここでちょっと手前みそな話をさせてください。

 私がまだ働き始めて少し経った頃、私がいた当時の部署で、仕事をしていた年下の男の子(A君とします)が、忙しいうえに、ペアの上司(直属の上司)からかなりきつく当たられているということがありました。

 その上司は40代くらいでして、A君以外の人に対しては常に物腰柔らかく、一見、礼儀正しいように見えるのですが、部下と二人きりで仕事をする場面では、かなりきつい言葉で怒鳴ったり、不機嫌な時には八つ当たりをしていたようでした。

 以前から噂で、パワハラ器質な人だと聞いていました。
 A君の前任者で、その上司とペアになっていた別の人もかなり精神的にやられたということでした。

 A君は、決して仕事ができないわけではないのですが、当時その上司から降られる仕事量も多く、なんとかさばいていましたが、その上司の機嫌次第できつく当たられていました。

 そのA君ですが、私や仲の良かった先輩たちに、よく愚痴を話に来ていました。

 しかし、みんな、彼の話を聞いてもちろん心配するのですが、きつかったら「また愚痴りにおいで」「発散していいから」と言うだけで、特に何かを行動するということはありませんでした。

 そのときに愚痴らせて発散させる。それ自体は、すごく大事だし、それだけでも救われるところはあるのですが、あくまでそこまで。

 愚痴が終わったら、彼は、また、その上司のもとに戻って仕事をするしかないし、根本的には何も変わりませんでした。

 私も最初そんな対応をしていました。

 彼の話を聞いて、そりゃひどいわと同情するのですが、自分は別の立て込んだ仕事があるし、彼は、彼として頑張ってやっていくしかないだろうと無意識に思っていたのです。

 それに、彼には彼の相談できる、さっきの上司とは別の管理職の上司がいたので、その人に相談してもらうしかないだろうなと思いました。

 しかし、ある時、彼から、その管理職の上司にも既に相談しているが、「これ以上ひどくなったらまた言って」と言われるだけで何も変わらないという話をされました。

 私は、その時初めて「これは、放っておいても変わることはないだろう」と思い、私の直属の上司(私たちが働いていた部で一番偉い上司)に申告することにしたのです。

 別に、彼から、「助けてほしい」と言われたということはなくて、おせっかいかなとは思いつつも、私の上司に進言しました。

 その上司は、私の話をしっかりと聞いてくれ、それは問題だと言って、すぐに行動してくれました。

 結局、A君のパワハラ上司は指導を受け、その後しばらくは、行動を改めたとのことでした。

 その後、A君は、「よくは分からないが、上司が指導を受け、態度が丸くなった」と私に報告してくれました。

 他方で、私は、彼のメンツもあるだろうし、その場では、私が上司にチクったことは言いませんでした。
 
 ただし、その後、私が部署異動する際、最後に彼にこの話をしたところ、「実は、ほかの上司にあれ以上相談することはできませんでした。」「みんな愚痴を聞いてくれるけど、それ以上してくれるということはなくて。言ってくれてよかったです」とお礼を言ってくれました。

 なんか、自分語りになって恐縮です。

おせっかいでも動くことの大切さ

 結局、何が言いたいかというと、本人がしんどい思いをして、逃げ場を失っているとき、それに周りが気づいたら、(助けを頼まれていなくても)できる範囲で行動に移すことが大事なのではないでしょうか。

 そして「行動に移す」というのは、多くの場合、「管理職の上司に進言する」ということになると思います。

 ちなみに、私は、「上司に進言する」ことには2つの意味があると思っています。

 1つは、そもそも管理する側に言わないと抜本的な解決がとられないということ、これは当たり前です。

 人員配置の権限は、管理職がもっていますから。

 そして、もう1つ、個人的にはこちらの方が大事だと思っています。

 そもそも、管理職の上司は、パワハラ等の問題を把握した時に、きちん対応しないといけない義務が発生しますが、後になって「そんな問題は知らなかった」と言い逃れさせないためです。

 まともな会社(公務員もそうだと思いますが)管理職の上司は、今回のようにハラスメント案件、あるいは、ハラスメントの疑いのある案件を、部下から進言された以上、組織体系的に、それに何らかの対応をする義務が生じます。

 そして、場合によっては、それをさらに上の役職に報告し、ハラスメント案件に対してどのように対応をしたのかを報告しなければいけません。

 だから、ハラスメント案件を進言された上司はそれに取り組まなければならないのです。

 しかし、仮に職場でパワハラや業務の偏りがあることを薄々と分かっていても、部下から案件として進言されていなければ、「そんなことは知らなった」と言い逃れができてしまうので、それを防ぐ意味でも、その上司に報告するのがよいのだと思います。

 話はそれましたが、やはり、周囲の人間が、多忙なり、ハラスメントなりで疲弊している人に目を配ることが大事なのではないか、そうでなければ、本人が行動できない場合、ほかに解決策はないのではないかと思います。

 そして、それが健全な職場環境につながる。

 こういう話は、一般的にもよく言われることですが、私は自分のこれまでの経験を通じて、身をもってそう実感するのです。

 本当に大事なことだと思うのです。

 自分が本当にしんどい時、実際に自分が行動するのはなかなか難しかったりします。
 今回、A君は自力ではどうしようもなかった。
 そこを私が少しアクションをとって改善させられたのがうれしかったです。

 けれど、皮肉なことに、部署異動後、私自身が追い込まれて病んだときには、私は、自分自身を救うことができませんでした。

 それに、周りもそれに気付いて何かしてくれる、ということもありませんでした。
 
 自分が病んだことを周りの人のせいにするつもりはありませんが、やはり渦中の当事者が、客観的にその異常性に気づき、気力を振り絞ってアクションを起こすというのは難しいのだと思います。

 もし周りにも、疲れている人間がいたら、自分が忙しいのもあると思いますが、まずは、少し手を止め観察し、声をかけてみてはいかがでしょうか。

 あなたの小さなアクションが、その人を救うことになるかもれません。

亮介
この記事を書いた人
亮介

激務により適応障害を発症し、休職、療養、転職を経験。
働き方に悩む方々の背中を押したい、そんなブログです。

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