阿部寛に救われた話<適応障害療養中に見るドラマ・映画② 療養初期のしんどい時期でも『結婚できない男』は見られた理由>

療養中に見るテレビ

◎前回記事「キムタクが見られなくなった話し<適応障害療養中に見るドラマ・映画①>」はこちら

キムタクが見られなくなった話<適応障害療養中に見るドラマ・映画①『グランメゾン東京』を見て不調が加速した話>
さて、これまでは、私自身のエピソードが中心で、内容も暗いものが多くなってしまいました が、今回の記事は、適応障害の治療中に私が見たドラマや映画を紹介しようと思います。 その中でよかったものや、かえってよくなかったものについて2回に分けて紹介…

 ※この記事にはプロモーションが含まれます。

適応障害になってテレビを見るのがしんどい時期

 療養初期、ほどんどのドラマや映画が見られなかったなかで、唯一最後まで見られた作品がありました。

 特に、音や刺激に敏感になっている時期の方にはお勧めできる作品です。

 もう完全にネタバレしていますが、『結婚できない男』シーズン1です。
 本当によかった。内容も面白いし、療養中、初めてちゃんと見ることのできた連ドラでした。

 なぜ見られたか。

 結論から言うと、ちゃんと面白いドラマなのに(言い方失礼ですが)、いい意味で刺激が少なかったからです。

 まず、療養が始まってしばらくは、テレビを見るのも大変でした。
 見ていると、すぐに疲れてしまうのです。

 疲れる理由は、おそらく、脳が疲れているところに、情報が入ってくるのでより疲れる、映像や音の刺激で疲れる、ドラマであればストーリーの展開を追うのに疲れる、といういくつかの理由があったのだと思います。

 今も覚えているのですが、朝、気分転換のためにテレビをつけたときのことです。
 流れたCMを何回か目にしただけで、頭が疲れて、見るのを断念したこともありました。

 そのCMは、ある男性アイドルが主演をしているサスペンス映画のCMでしたが、失礼なんですが、その映画がとても面白そうには見えない上に、また、CM内容も激しめというか音も映像もうるさい感じがして、どうしても見てられなくなり、テレビを消しました。

 病気になる前は、CMが嫌になってテレビを見るのをやめるなんてことはありえなかったのですが、療養初期は、本当にこんな状況でした。

 ちなみに、当時は、まだ眠剤を飲んでいない頃で、寝られない日々が続き、特にしんどかった時期でした。

『結婚できない男』だけ唯一見られた理由①【視覚的・聴覚的な刺激が少ない】

 何か気分転換はしたいのですが、寝られていないので、外出して何かをするといった体力も、読書で活字を追う気力もない。

 そうすると、家にいて出来る気分転換としては、消去法的にテレビを見るということになりますが、さきほどお話ししたように、刺激の強い映像は見てられません。
 憂鬱で何か気分転換をしたいのに、それができない。
 しんどかったです。

 そんなしんどい時期に、唯一まともに見られ、リフレッシュを与えてくれたのが、当時サブスクで配信していた『結婚できない男』でした。
 それもシーズン1。

 『結婚できない男』は、言わずと知れた平成中期の人気ドラマ。
 阿部寛さん主演で、奇妙な独身男性の生活と恋愛模様を描いたコメディドラマですが、これが、療養中に見るドラマとしては最適でした。
 ドラマの演出や進み具合が「ちょうどいい」。

 この「ちょうどいい感」を言語化するのとても難しいのですが、あえて言うならば、次のような理由があったのかなと思います。

 一番大きかったのは、「いい意味で刺激が少ない」です。

 『結婚できない男』を見てから、最近のドラマを思い返すと、どれも、BGMが流れるシーンが多いと思います。
 
 演者がセリフを言っている後ろでBGMをよく流して、雰囲気を演出しているのだと思いますが、BGMというセリフとは別に流れてくる「音」が、当時の自分には疲れました。

 さきほどもお話ししたように、情報処理する脳が疲れているので、BGMを強調されると、BGMとセリフという2つの「音」を処理なければいけなくなり、脳がさらに疲れてしまうのだと思います。

 実際、適応障害と診断された直前には、電車内で、他の乗客たちの話声が全て耳に入ってくるような感じがして「うるさくてたまらない」、ということもありました。

No2 予兆
今振り返ると、この週が全ての始まりでした。 当時は、「ただの疲れ」だと思っていた違和感が、少しずつ明確な「異変」に変わっていきます。  前回お話ししたように、負荷が集中した働き方を半月ほど続けていました。 頑張った甲斐もあって、重要度の高い…

 音以外の演出もそうです。場面がしょっちゅう切り替わったり、カメラワークがしょっちゅう変わったり、そういう刺激にも疲れてしまいました。

 しかし、『結婚できない男』は、そういった場面はあまりなく、いい意味で、BGMが目立たないし、あっても控えめなものでした
 だから、疲れず見ることができたのだと思います。

 ある意味、最近の激しめのドラマとは違って、このドラマは、俳優たちが自分たちの演技だけで場を演出していて、BGMにあまり頼らないドラマだったのではないかと思います(なんか偉そう(笑))。
 
 「日常系ドラマだったらどれも刺激が少ないのでは?」
 そう思った方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
 
 現在放送している「日常系ドラマ」も「日常系アニメ」も、よく観察して見ていると、セリフの裏でしょっちゅうBGMが流れていることに気づきます。
 
 ですから「日常系モノ」だったらなんでも療養中に適しているというわけではないのです。
 だからこそ、『結婚できない男』という作品はレアなのです。
 

『結婚できない男』だけ唯一見られた理由②【ドラマ展開もちょうどよい】

 もう1つの理由は、ドラマの進み具合もちょうどよかったです。

 「ちょうどいい」ばかり連発してしまっていますが、各回で何かしらの事件が起きますが、その事件のレベル感がちょうどいいです。
 退屈もしないし、逆に衝撃的でもない。

 そもそも、日常系的なのドラマなので、急展開が少ないのは当然かもしれませんが、それにしても、療養中に、「安心して見られる」と「楽しめる」との間のほんとうにちょうどいいラインにありました

 独特な桑野が周囲の登場人物たちを振り回すような展開や、「ドタバタ」ももちろんあるのですが、それが「ドタバタ」過ぎないのも良かったです

 周りは、ちょっと迷惑をかけられている。
 しかし、そんなに大ごとにはなっていない。
 「やっぱ桑野さん変わってるよね、まあ悪い人じゃないからね」で終わっていく。
 そのバランスが良かったです

 また、コメディドラマとは言え、コメディに全振りしている感じではなく、笑いどころも「見せる」感じはなく、自然でした。

 これらが療養中に適していた理由だと思います。

シンプルにドラマの完成度も高い

 ここからは、もはや病気は関係ない、ただのドラマの感想になりますが、各俳優たちの演技も上手いです。

 有名な俳優たちが出ているので当たり前かもしれませんが、主演の阿部寛さんをはじめ、ヒロインを演じた夏川結衣さん、彼らを取り巻く登場人物たちを演じた俳優の方たちが、みんな自然な演技で、見ていてすっと入ってきました。

 正直、演技に慣れていない若手俳優やアイドルが起用されるドラマの中には、やはり演技力が気になってしまうものもあります。
 しかし、このドラマは、出ている俳優が全員一流なので、そんなことは一切ありませんでした。
 そう言う意味でも全くストレスのないドラマだったのだと思います。

 特に夏川結衣さん演じる早坂と桑野とのやりとりは、本当に、お二人の俳優が素のキャラで掛け合いしているのではないかと思うくらい、演技が自然でびっくりしました。

 夏川結衣さんという女優は、私は世代ではないので存じ上げませんでしたが、こんなに演技の上手い女優さんがいたんだと思い、思わずネットで検索してしまいました。

 また、先ほどもお話ししたように、主人公の桑野が周りの人を振り回す場面が多いのですが、見進めていると、各登場人物がそれぞれ桑野に対して、形は違うけど、温かい心をもっていることが分かります。
 そして、それを前面に出しすぎていないのもよかったです

 登場人物皆、言葉には出さないけど、実は、それぞれの形で桑野への愛情や信頼を持っていて、それを各登場人物の言動や表情から読み取れる。
 しかし、「読み取れる」程度で、それをストレートに「演出」はしていない。
 そのバランスが、押しつけがましくなくてとても心地よかったです。
 見ていて、自然と、こちらも温かい気持ちになりました。

 以上、長々と書きましたが、『結婚できない男』は面白い、療養中には持ってこいのドラマだったという話でした!

 私は、当時、毎日欠かさず見ていて、オープニングのELTの「トゥールー、トゥワットゥートゥートゥー」っていうイントロが頭から離れなくなってしまうほどでした(ふつうに寝不足のせいかも(笑))。

 このドラマのおかげで、自分は、療養開始当初のしんどい時期、リフレッシュができ、多少心が軽くなったような気がします。
 お礼を言いたいくらいです。

 ちなみ、シーズン1を見終えて、当然シーズン2を見始めたのですが、女性キャストが3人になったことで、疲れてしまい、いきなり頭が追いつかなくなってしまいました。

 また、これは私の感覚ですが、シーズン1よりBGMが多く使われていたり、何となく「見せる」演出も増えたような気がして、やはり途中で見るのを断念してしまいました。

 余談ですが、「結婚できない男」シーズン1を見終わって「ドラマが見られるようになったぞ!」と思った私は、その後、『グランメゾン東京』にトライして、返り討ちにあったのは前回お話しした通りです。

 もし今、刺激の強いコンテンツがしんどいと感じている方には、こういう作品から試してみるのも一つだと思います。

 次回の記事では、療養中に見た他のドラマや、映画についてご紹介します。

休養中には「ちょうどよい」ドラマを

 次回記事で、私が見られたドラマや映画を各回復段階別にお話ししますが、やはり、回復の段階に合わせたコンテンツ選びが大事だと思います。

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次回記事はこちら

適応障害療養中に実際に見たドラマ・映画<回復期別>
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